FREEHAND

by Takahiro Morita

Far East Skate Network presents
FREEHAND by Takahiro Morita
Drawing the Skateboarding Line

 

 

僕が今回の作品でまず表現したかったことは、僕たちスケーターが何気なく滑っているスケーティングの軌道を形にしてみたかったのです。その軌道を描くことでスケーターである自分自身のライディングの法則、スピード、感情の起伏や熱量、そしてその他多くのことを1本、1本の線で表現したかったのです。

 

 

今回の「フリーハンド」という作品を作るにあたり、まず最初に行ったことは、会場である市原湖畔美術館の地下展示スペースを実際にスケートでライディングすることでした。そこから実際にキャンバスになるスペースをイメージしてスケートパークのトランジションを僕自身が実際に設計していきました。

そこからドローイングを行うペンをスケートボードでどのように作るか?を考えていったのです。

実際にそのペンを作る上で素材を毛筆に選んだのは、その1本のライン上で筆圧の強弱やスピードによる跳ねの表現、1本といえども千本以上の毛が束ねてある毛筆ならではの繊細な表現がスケートボードを表現する上で1番有効なんじゃないか?と考えたからです。幾度の実験からなるべく毛先が長く、ある程度毛の量が多くないとスケーティングによるドローイングには不向きなことが分かりました。

また素材に墨を選んだことに対しても、出来るだけ長いラインを地面に描きたかった為、なるべく粒子の細かい塗料を使わねばならなかったのです。あまり乾きやすい塗料では長いラインが描けず、色々な塗料で実験した結果、墨を使うことに決めました。

かねてから僕自身が行なっているスケートはその技術が上手いか上手くないかよりも、その時々の自分自身の感情をスケートボードに載せ表現することに重点を置いています。

本来、一瞬の快感の虜になっている僕たちスケーターの軌道は必ずしも目に見えるものではありません。しかしながらその軌道を繊細に、そしてダイナミックに描くことによって、僕自身のその時のスピードや激しさ、感情の起伏や熱量を鑑賞者に伝えたかったのです。そうすることで鑑賞者に対し、実際のスケーティングの様子を想像しやすい状況を作り、また新たな角度からスケートボードの魅力を伝えることが出来るのではないか?と思いました。

作品名を「フリーハンド」と名付けた理由も僕自身がスケートボードに乗って描くラインは僕自身の感覚、感情を表現するとともに、誰からも指図を受けずにただただ楽しむ為だけにある本来のスケートボーディングの目的を表現してみたかったからです。

僕自身の美意識とスケートボードの心底自由なフィーリング、そして何よりも純粋なスケートボードの奥深さと魅力をより多くの人々に伝えることが出来ればと思い制作しました。

映像では伝えられないこと、それは作品自体の本当のスケール感と床に飛び散った墨の量やライディングの激しさを物語った毛筆の筆跡、そして何より僕自身がそこで本当にスケートボードで格闘した痕跡のディテールを等身大で感じられることです。

是非多くの皆さんが興味を持っていただけますように。

森田貴宏

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▪︎ 展覧会について

名称:

そとのあそび ~ピクニックからスケートボードまで~展

開催地:

市原湖畔美術館

住所:

〒290-0554 千葉県市原市不入 75-1

開催期間:

2018年7月14日(土)~2018年9月17日(月・祝)

料金:

一般:800 円(700円)、65 歳以上の方・大高生 600 円(500円)、中学生以下・ 障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。

 

開館時間:

平日 10:00–17:00 、土曜・祝前日 9:30 ~ 19:00 、日曜・祝日 9:30 ~ 18:00 (最終入館は閉館時間 30 分前まで)

休館日:

月曜日(祝日の場合、翌日)

公式サイト:

http://lsm-ichihara.jp/exhibition/2018/summer

#スケボー #プロスケーター #森田貴宏 #FarEastSkateNetwork